カリトンブログ

大学生のブログ主が、自分独自の視線から世界を語ったりするブログ。

『君の名は。』考察について狂い語る

 カリトンは、サークルに入っている。

そのサークルはわりかし活発に活動しているところだ。めちゃくちゃ真面目なサークルだと思う。

飲みサーなんてものがあるなかで、大学生のくせに真面目なサークルである。

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そのサークルで、困ったことが発生した。

週に一度、部員がプレゼンしなくてはならないのだよ。

プレゼン自体はいい。『君の名は。』について話すって決めてるし。話すことは好きだし。

 

ただ、カリトンのプレゼンだけでサークルの時間を潰しかねない。

それが問題なのだ。

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君の名は。』語りたい欲を抑えるため、この記事で『君の名は。』のことを存分に狂い語る予定である。

そして、カリトンのプレゼン用資料として活用する。ブログって便利だね。

 

ネタバレMAXなので、ネタバレ嫌な人はブラウザバックしてね。

【目次】

 

君の名は。』のキーワード

さて、この作品には三つのキーワードがある。

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名前、カタワレ結び

 

ここを徹底的に調べるだけでも、この作品で何を描こうとしたのかが読めてくる

それくらい、とてつもなく重要ポイントなのだ。

 

キーワード①名前

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この作品のタイトルは、『君のは。』である。

それだけでなく、

「大事な人、忘れたくなかった人!だれ…だれだ…だれだ…君の名前は!?」

「君はだれ?君の名前は?」

 

本編で、すごく名前の問いかけが出てくる。それくらいこの作品で重視されている

 

だが、そもそも名前ってなんだろう?

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どうしてそんなに大切なものなんだろうね?

名前ってそもそも何?

名前はある対象を表す固有名詞である。

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対象を表すということは、他のものと区別できるということだ。

例えば、立花瀧は…

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君の名は。』の登場人物兼主人公の彼のことだ。

中学生の彼も、

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高校生の彼も、

 中身が違う?なんか悪意を感じる?何を言うかね、体は立派な本人じゃろ。

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大人の彼も、

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どれも立花瀧である。

でも立花瀧は、てっしーではないな。

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ある対象を表してかつ、他のものと区別するというのはそういうことだ。

『名前の問いかけ』が作中で出てくる理由

名前は対象物を表しても、どんな性質を持っているかは分からない

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立花瀧

この名前を聞けば、名前の持ち主が人であることは分かる。でも、どんな性格をしているかは分からないのだ。

 

それにも関わらず、二人が互いの記憶を忘れた時に求めたもの。

それは名前だったんだ。

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なぜ、名前を求めたのか。

 

名前というのは、ある対象を表して、他のものと区別するものである。

 

つまり。名前は、他の誰とも違うという証明そのものだ。

名前を知ることで、その他の誰かではなく、特別な誰かになる。

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特別な人だから、名前を知りたいって思うんだよ。

 誰かの名前を覚えていたら、覚えられていた側の好感度がUPする理由でもある。

主人公とヒロインの名前の由来

名前には名付け親の、子に対する願いが宿っていたりする。

 現実でもそうだし、フィクションだって例外じゃなかったりするのだ。

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立花瀧宮水三葉

この二人の名前の名前の由来はね、調べれば調べるほど面白い。

宮水三葉の由来

まず、三葉の名前の直接的な由来は罔象女神(みつはめのかみ)である。

 監督本人の発言である。直接的な由来というのが、また意味深だ。

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罔象女神(みつはめのかみ)は別名ミツハノメ。

どちらにせよ、日本神話における代表的な水の神だ。

ちなみに罔象の部分は、龍や小児などの姿をした水の精と説明されているんだそうな。

 

つまり罔象女神(みつはめのかみ)は、水の神でもあり、竜神でもあるのだ。

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実は、三葉の名前の由来はキーポイントである。

 

『宮水』は、「宮の水」という意味だ。つまり、ここにもとの関係性が現れている。

立花瀧の由来

瀧くんに関しては、『立花』と『瀧』の二つに分けて考えていこう。

 

まず、『立花』。

立花は、別の漢字で橘と言う。

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橘は蜜柑系の常緑樹なのだ。実はこの橘、古文で登場してたりする。

というのも、伊勢物語で、

 

「皐月待つ 花たちばなの 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする」 

 

と読まれていた。

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橘は強い香気を放ち、過去に立ち返らせる花である。

花言葉追憶

 

また、橘には別の異名もある。それが、非時香果(トキジクノカクノコノミ)。 

意味は、時を選ばず実る果実。あるいは『時知らず』とも言うのだそうな。

 カリトン的には、作中で橘が登場してるだろ疑惑があったりなかったり。それも、口噛みトリップ中にな。

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『瀧』の方にも触れていこう。

そもそも瀧は、

氵+龍

で完成する漢字だ。

 

水と龍を足して完成する…。

それって三葉の名前の由来である、罔象女神(みつはめのかみ)となんか似てないか?

 

水であり、竜でもある。

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しかも外伝小説では、更に意味深な描写がされている。

糸守に隕石が落ちたのは、作中の2015年だけじゃない。少なくとも、以前に二回落ちているのだ。

 

隕石が落ちる姿を、昔の人は天のに例えたそうな。

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イヤー、イミシンダナァー。

 

キーワード②カタワレ

この作品では、至る所にカタワレが出てくる。

 カタワレ=半分

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  • 片親しかいない家庭環境
  •  二つに割れる彗星
  •  カタワレ時
  •  半月
  •  ハーフヌーン(瀧くんが糸守に訪れる時に着てたシャツ)
  •  太極図が、糸守に訪れる時に瀧くんが来てた上着についてる。

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さて、立花瀧と、宮水三葉

この二人、互いのカタワレなんじゃ説を唱えたい。

 立花瀧が、入れ替わり相手に選ばれた理由も説明つくしね。カタワレは片割れ、そして片我である。

 

名前が二人とも似てるし。

 

他にも、証拠になりそうな場面としては、中学生瀧くんと高校生三葉が出会うシーンだろうか。

 罪のない幼き中学生瀧くんを吹っ飛ばしたくなるシーンでもある。

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そのシーンで、中学生瀧くんが使っている英単語帳に…

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I'm looking for my counterpart

(訳)私は私の片割れを探している。

 

はい、ギルティ。

いやこれはもう確定では?

 

まあ、他にも証拠を上げておこうか。

カタワレ時と誰ぞ時の関係

作中で、カタワレ時という言葉が出てくる。

カタワレ時は、誰ぞ時(だれぞとき)という言葉が変化してできた方言という設定だ。

 夕方くらいの時間帯を表す。

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カタワレ時が誰ぞ時からできた言葉であるなら、カタワレ時=誰ぞ時という方程式ができるな。

 

そして、カタワレは片割れ

誰そ彼とは、「あなたは誰ですか」ということでもある。

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この二つがイコールの関係であるなら、こう言い換えることもできる。

 

「あなたは誰ですか」の答えが「片割れ」。

 

生きる時間が違う二人が、唯一会える時間であり。そんな二人の関係性を表す時間でもあるのかもしれない。

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なぜか残った寂しさの正体

小説版を見れば分かる事実がある。

それは、何もかも忘れたはずの2人に寂しさが残っていたことだ。

 

なぜ寂しさが残ったのか?

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というか、そもそも寂しさってなんだろう?

どういう時に、人は寂しいと感じるのだろうか。

 

寂しさとは、なにかを失った時に姿を表す感情だ。

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じゃあ、あの2人は一体なにを失ったのか?

 

   2人はカタワレを失ったのだ。

 

瀧くんは、三葉の口噛み酒を飲んだ。

結果として、2人の魂は結びついた。結びついた2人は、もはや互いの半分=自分そのものの関係になってしまう。

 カタワレは、片割れであり片我

 

つまり、

三葉の半分は瀧くんであり。

瀧くんの半分は三葉なのだ。

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2人は互いのカタワレのことを、綺麗さっぱり忘れてしまった。失ってしまった。

 

だから、2人にとって正体不明の寂しさだけが残ったのだ。

2人の恋愛

人間球体説というものがある。

『饗宴』という本に出てくる考え方だ。

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元々、男女は1個の球体だった。けれど、ゼウスは、球体を半分に割ってしまった。

そうして球体は、半分になり、男と女に分かたれた。だから、人はお互いの欠けたもう一人の自分を求めて恋をする

 

という考え方だ。

君の名は。』において描かれる、瀧くんと三葉の恋愛の形そのものではなかろうか。

《余談》人間球体説

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哲学者であるプラトンという人が、『饗宴』という本を書いたわけだ。

 哲学本って聞くと、めっちゃ難しく感じがちだが、案外読みやすい本である。カリトンは『ソクラテスの弁明』が好き。

 

内容をサラッと紹介すると…

哲学者ソクラテスが、他の登場人物達が語る「愛とはなにか」をとことんdisるお話だ。

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「いやいや、それは違う。もしそれが愛だと言うのなら〜〜〜ということになってしまう」

散々否定しまくり、最後の最後にソクラテスが愛について語るわけだな。

 

ただ、ソクラテスが人間球体説を唱えたわけではない。あくまで、他の登場人物が唱えた説なのだ。

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地味に勘違いしてる人が多いので、覚えておけば役に立つかもしれぬ。

 例にも漏れず、人間球体説はソクラテスに批判されている。

 

キーワード③結び

この映画を見て、印象的な言葉がある。

それが結び

三葉のおばあちゃんが、結びについて説明している。

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「よりあつまって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。それがムスビ、それが時間」 
 時間と結びの関係は、のちの『あの世界=平行世界方式なのか?』で触れる。

君の名は。』から触れる日本神話の思想

結びは産霊でもある。

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産霊は、日本神話で登場する言葉である。語源は…

苔生す(こけむす)+ひ(霊)=産霊

 ひ(霊)は霊的・神秘的な働きのことを表す。苔生す(こけむす)は、生まれることを表す。

 

この産霊、めちゃくちゃややこしい。同じ産霊なのに、意味が3つくらいあるのだ。

 カリトンがある程度理解するまで、結構時間かかった。今でも100%理解はできてない…。

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生み出すことを意味する言葉

さきほど書いた、語源を見れば分かると思う。

 

②日本神話で登場する神様の名前そのもの。

 例を出すなら、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)とか。

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②産霊は、身体の内へ霊魂を容れて結合させることでもある。

 民俗学者折口信夫さんという方が言い出したことだったり。

「水でも、米でも、酒でも、何かを体に入れる行いもまたムスビと言う。体に入ったもんは、魂とムスビつくで。」

↑こっちの意味の産霊も、作中で説明してくれている。

 カリトンの説明いるのか?って思うくらい分かりやすい…。

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《余談》産霊と日本文化

実はこの産霊、日本文化にすごく馴染み深いものである。

というのも…

 

息子(ムスコ)、娘(ムスメ)って言葉がよく使われていますね。この二つの言葉、産霊から生じた言葉なんだよ。

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他にも、しめ縄、水引、おみくじを結ぶなど。

結ぶという行為は日本人が思う以上に、日本の文化に深く関係していたりする。

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結びと組紐

結ぶ」という言葉は、

  • ひも状のものをくくる
  • 繋げる
  • まとめる
  • 創る
  • 固まる
  • 締める 

のようなさまざまな意味がある。

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「人と関係をむすぶ」「契りをむすぶ」といったご縁や心をつなぐ意味でも使われるな。

 

作中に登場する、地味ながらキーアイテムである組紐組紐もまた、結びそのものだ。

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時間を表し、二人との縁というべきものを表すもの。赤い糸なんて風にも言えるだろうよ。

(ささやかな余談)結びとおにぎり

おにぎりは、おむすびとも言う。

瀧くんはラーメン屋のおっちゃんにもらったおにぎりを、もぐもぐ頬張る。

頬張りながら、結びについて語る

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なんとも意味深なシーンなのだ。

なぜ最後に入れ替われたのか

まぁ、言うまでもなく口噛み酒だな。

だけど、なんで、口噛み酒を飲んだら入れ替われたのか

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ここにも結びが大いに関係してくる。

 

先程、カリトンは結びについて説明した。

いくつかある意味のうちの一つに、身体の内へ霊魂を容れて結合させるといったものがある。

 

そして。口噛み酒は名前の通り、三葉が口の中で作られたと言って過言でないものだ。

そこで、さっきカリトンが引用したセリフを思い出して欲しい。

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「水でも、米でも、酒でも、何かを体に入れる行いもまたムスビと言う。体に入ったもんは、魂とムスビつくで。」

 そう。

三葉が口に入れたお米から、口噛み酒はできている。だから、口噛み酒には、三葉の魂が結びついているのだ。

 おばあちゃんが、口噛み酒を「三葉の半分」と言った理由でもある。

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同じく、瀧くんも口噛み酒を飲むことによって、三葉の魂と結ばれたのだ。

 そう考えたら、ある意味セ◯クス以上のことをやってのけている。三葉がカタワレ時のシーンで赤面したの、あの酒飲まれて恥ずかしがったのと、このことを分かってたからでは…?

ヨモツヘグイ

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少し脱線して、口噛み酒を飲んで過去に戻れた理由でも解説してみる。

一言でいうなら、ヨモツヘグイをしたから

 漢字にすると、黄泉戸喫。黄泉の国の食べ物を食べること。ヨモツヘグイすると、死者の国の住民となってしまう。

 

御神体はあの世であり、死者の国そのものだ。

隠り世=あの世のことである。

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死者の国の食べ物を食べることで、死者の国の住人になる

そして、三葉の魂と結びつくことによって、瀧くんは三葉が死んだ過去の世界に入れ替わりを通じて行くことができたのだ。

 

瀧くんがなんやかんや頑張ったあと。

時間的にも空間的にも、ありとあらゆるものの境界に当たるクレーターのふち

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そこで、生者でも死者でもない2人は、互いの魂を元の身体に入れ替えて元に戻ったということなのだ。

君の名は。』は結びの物語

ところで、なぜ、この作品のタイトルの最後に「」がついているのか。

 

それは、この話は結びの物語だからだ。

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「よりあつまって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。それがムスビ」

とてもシンプルで、奥深い答えではないかね。

忘れ去ること、忘れられないこと

二人とも、仲良く山の上でイチャイty、まぁした後。あっさりと互いの記憶を忘れてしまう

その前の瀧くんのシーンでも、三葉の名前を忘れてしまっている

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隕石が落ちてから5年間、瀧くんと奥寺先輩が会った時。奥寺先輩は、既に当時のことを忘れてしまっている

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この映画では忘却の様がよく描かれている。

人は死ぬまで何かを忘れ続ける生き物だ。

 入れ替わろうが、過去を変えなかろうが、どの道忘れてしまう。

 

記憶はあまりにも儚くて弱々しい。でも、それでも忘れないことだってある

たった一つの奇跡

もし、この作品で奇跡と呼べるものがあったのなら。

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それは入れ替わりじゃない。過去を変えたことでもない。

 

「好き」という感情を二人が覚えていたこと

 

これに尽きる。

唐突に現れたマッキーが示したかったこと

「名前書こうぜ(キュポンッ)」

イケボの主が当然、ラブラブシーンにマッキー使い出すの巻。

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一応ね、あのマッキー、おにぎり食べてるシーンに出てきてはいるんだよ?

だから、急に出てきたわけじゃない…んだけどさ。

 

空気ブレイカーすぎると思うの。あの雰囲気でマッキー出すか。

 映画初見の時、カリトンはちょっとビックリした。

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ともあれ。少しゴリ押し気味ではあったけど、監督的に表現したかったことがあったんだろう。

それが、想いは時空を超える

 

陳腐な表現だと思う。

 言葉にした途端に、ありふれたものになってしまった…

名前を書かなかったわけ

名前を書こう。

そう言っておいて、書かれた文字は名前じゃなかった

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なんで名前を書かなかったのか。

それは想いが先走ったからだろう。

目が覚めても忘れないようにさ。名前書いとこうぜ

つまり。これから、自分たちが忘れてしまうことに気付いていたんだ。

 

忘れることに気付いていたから、忘れて欲しくないこと、自分が三葉に伝えたいことを書き留めようとした

その結果が、三葉の手のひらの文字なんだろうな。

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《余談》立花瀧の性格から見る

「名前書こうぜ」って言って、名前を書かない。

一見矛盾はしてるけど、立花瀧というキャラクターの性格からも考えると妥当な行動でもある。

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彼、実はかなり奥手な性格だ。

 小説版とか外伝を見たら、大分イメージが変わるキャラでもある。映画だけだと性格を把握しにくい。一言で表すなら、残念なイケメン

 

「お前は誰だ」

ノートに書かれたそれを思い出した三葉(瀧くんの体に入れ替わり中)は、

「みつは」

と手のひらに書いた。

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つまり自己紹介していたわけだ。

 

それに対し、滝くんは

「お前誰やねん(超絶カリトン意訳)」

と返す。

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瀧くん、おそらく自分から自己紹介していない。

 描写的に、周囲から名前を呼ばれてから三葉は瀧くんの名前を知ったと思われる。

 

それに、だ。

三葉がセッティングさえしなければ、奥寺先輩とのデートもできなかったんじゃないか?

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ちなみに奥村先輩のデートでも、スマホのメモを通して、瀧くんの奥手さを三葉におちょくられていたりする

 用意してあげた記事の名前からして、三葉の本心はすでに、先輩とのデートには乗り気じゃなかっただろうことが伺える。

 

想いを直接、面と向かっては言えなかった。

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だけど、

「名前書こうぜ」

不器用ながらに、書き留めることで想いを伝えようとしたのだろう。

 

本当に脚本が練られた作品だと思うよ。

名前を書かない=実はファインプレー

むしろ、あのシーンは名前を書いてはいけないんだ。

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そもそも、なぜ二人が忘れてしまったのか。理由は二つある。

 

一つは入れ替わりが夢の出来事であること。

もう一つはタイムパラドックスを解決するため。

 タイムパラドックスは、過去を変えた時に起こる矛盾のことである。親殺しのパラドックスが有名。

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彗星が落ちた日。

あの二人が出会うことは本来ありえてはならない。その矛盾をなかったことにするために、二人の記憶は消された。

 

だから、あそこで名前を書いたら、本当に何も残らなくなった可能性があるのだ。

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証拠と言っていいシーンがある。

カタワレ時のシーンの後、瀧くんは三葉の名前を左の手のひらに書こうとする。結局書けなかったわけだが、重要なのはそこじゃない。

 

全てを忘れた後、右の手のひらを見たが。左の手のひらには見向きもしないのだ。

 大いにカリトンの深読みのしすぎの可能性もあるけどね。

 

宛名がないメッセージから、あの文字は残ったのだよ。

隕石結局なんだったん問題

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ちょいちょい意味深な描写はあれど、あの隕石の具体的な情報は出てこない。

 

映画を見て分かるのは、

  • 名前
  • 物理法則を超えてくる存在
  • 自然のものじゃない
  • 糸守に三回落ちてる

この三つだけである。

ティアマト彗星

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隕石の名前はティアマト彗星。ティアマトとは中々、意味深な名前である。

というのも、ティアマトはメソポタニア神話に登場する神の名前である。

 メソポタニア神話において、全ての神を生んだお母さんでもある。

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ティアマトは原初の海の女神のことである。その姿は大洪水を起こす龍の姿で表されているのだ。

 海や水に関する神様が、古来から竜=蛇がその象徴とされるのは全世界共通。川の流れの姿と竜や蛇のうねりを重ねてそのように信仰されているんだとか。

 

ティアマトが龍の姿っていうのが、なんとも意味深である。

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他にも。

なんやかんやあった戦いで、ティアマトは敗れてしまった。その時、ティアマトの身体が2つに引き裂かれて天と地が創られたんだとさ。

 エゲツない話だよな。なんかかわいそうである。

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ともあれ、

・二つに引き裂かれる。

・龍の姿で表される。

このへんが隕石の名前の由来なのかもしれぬ。

 

ちなみに龍は、隕石のことをめぐる上のキーワードだ。

 頭の隅にでも覚えておくがよい。

物理法則ガン無視しすぎ問題

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これはネットなんかでも、ちょいちょい指摘されていた。     

「君の名は。」のティアマト彗星を再考する - ZoaZoa日記のブログ記事なんかが分かりやすいかな。

 

初めは、単なるミス扱いされていた。でも後の監督のTwitterの投稿で、意図して表現されたことが発覚。

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ちなみに、作中世界でも隕石が墜落するなんて有り得ないと思われていたのだ。

 ロシュ限界などの、現実世界でも使われる専門単語がちょいちょい出てくることが証拠。意味?知らんがな。

 

「落ちるわけがない。もし落ちたのなら、この隕石は物理法則を破ったということだ。だからありえない。」

 

そう思われていたティアマト彗星は、見事に期待を裏切ってみせたよ。

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物理法則なんて知ったことかと言わんばかりに、宮水家の屋敷一直線に墜落してみせた

 清々しいくらいに、ピンポイント。これに気付いた時は鳥肌がたったね。

ティアマト彗星は〇〇〇〇だった

これね、普通に映画見てるだけじゃ100%分からない

 

カリトンも考察記事を漁りまくって、たまたま知った。

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てっしーが、冠水爆弾を入れていたバック。あの中に、オカルト雑誌ムーが入っている。

 なんで爆弾入ったバックにムー入れたの、てっしー…。

 

多分ね、ムーが入ってることに気づいた人は結構多いと思う。カリトンも、そのことに気づきはした。

 

でも、ムーの表紙にとてつもなく小さい字で書かれた文章。これに初見で気づいた人はほぼいないだろうよ。

 

「ティアマト彗星は人工天体だった」

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1.5秒のみ、姿を表すカットとなっている。

んなもん分かるかっ!

過去と現在、合わせて三回落ちる隕石

実は、三葉と瀧くん世代だけでない。それより前にも、隕石は糸守に落ちている

 物理法則を何回破れば気が済むのさ…

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二人の世代に合わせて、三回も落ちているのだ。

 1200年周期で糸守に落ちているんだとさ。本当に偶然だろうか。

 

・宮水邸(今作の墜落場所)

・旧糸守湖

御神体カルデラ

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この三つである。

落ちすぎじゃね?

ティアマト彗星と天の龍

物理法則に逆らう人工天体。1000年に一度、糸守に落ちる。

 

これが、作中だけを見れば分かることだ。外伝を見れば、分かる情報がさらに増える。

 

ティアマト彗星は日本神話の星の神、天香香背男(アメノカガセオ)と同一視されていることが判明するのだ。

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 カガセオは星の龍と例えられる。この作品ではカガセオ=隕石説を採用している。ちなみに、金星説もあるよ。

(推測)ティアマト彗星=SF小説のオマージュ?

君の名は。』を作った新海誠監督は、SF小説が好きらしい。

それも、思いっきりハードなものが。

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イーガンという超有名SF作家が書いた、短編小説「貸金庫」が『君の名は。』の世界観に影響を与えていたりするくらいである。

 『祈りの海』に収録された、短編小説である。カリトンも読んだが、不思議な気持ちになった作品だったな。未だに家に置いてある。

 

そして、カリトンが思うに…

「都市と星」という長編SF小説がティアマト彗星の元ネタなんじゃなかろうか。

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隕石に限らず、糸守の世界観など

「アッ…コレニテル…」

となるところが多い。なんなら、インタビューでも言及されてたりする。

 例のインタビュー→8.26公開『君の名は。』新海誠監督インタビュー最終回/強烈な「ロマンチック・ラブ」に憧れがあるんだと思います... | インタビュー | Articles | Filmers

 

ここで解説してもいいけど、あまりに長くなりすぎる。なので詳しくは君の名は。について、(たぶん)どこよりも詳しく解説してみました! | 榊正宗の上を向いて歩こう!を見よう。

 

ゴリゴリの古文シリーズ

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君の名は。』には、モチーフになったのであろう古典と、作中でも古典が登場する

せっかくなんで、二つ紹介しよう。

君の名は

誰(た)そ彼と 我(あれ)をな問ひそ 九月(ながつき)の 露に濡れつつ 君待つ我を

(訳)「誰なのかあの人はなどと、私に聞かないでおくれ。秋深まる九月の露に濡れながら、あなたを待っているこの私のことを

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タイトルそのものである。

そして、大まかな『君の名は。』の内容そのものでもある。

 実は、映画の冒頭にこの古文そのものが登場している。これが初めの方に登場するって、めちゃくちゃ意味深だと思うのだが。

腕輪

 いにしへの しづのをだまき 繰りかへし 昔を今になすよしも哉
(訳)昔を繰り返し、今に再現する方法があったらいいのに

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 「倭文の苧環(しづのおだまき)」というのは、「倭文織りの腕輪」だとか。

 外伝を読めば分かるのだが、宮水神社は倭文とガッツリ関係を持った神社である。

 

腕輪といえば、瀧くんが組紐を手首に巻いていたアレである。

いやー意味深だなー。

あの世界=並行世界なのか?

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パラレルワールドという言葉がある。

 並行世界とも呼ばれる。

 

SFで時々出てくる言葉であり、意味は、異なる世界が他にも存在することだ。

 

パラレルワールドは、タイムスリップを扱う作品で登場する

理由?

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A.タイムスリップ特有の矛盾を解決できるから、だ。

時間から見る『君の名は。』の矛盾点

例えば、『君の名は。』では…

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①瀧くんが過去に戻って頑張ったおかげで、三葉が生き残れた!

→じゃあ、死んだ三葉はどこに行ったの?

 カタワレ時の手前の、「あの時…私死んだの?」の三葉は死んだ方の三葉なのか?それとも…

 

②瀧くんが過去に戻ってが(以下省略)

→じゃあ、高校生瀧くんが頑張って三葉を助けようとしなくならないか?

糸守の人が既に救われているのなら、救いに行く理由がない

 

③瀧くんが過去に(省略)

→そもそも、組紐同じ時間に同時にあるのおかしくね?

 三葉が生きている場合、高校生瀧くんと大学生三葉は同じ物質のものを二つ持ってることになる

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と言ったふうに、いくつものタイムパラドックスに突き当たる

そんな時、パラレルワールドは大変都合がいい。なぜなら、

「三葉が死んだ世界は、世界Aの話だ!世界Aに住む瀧くんが、世界Bの三葉を助けたんだ!」

ってことにできる。

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これの何が都合がいいかってな、タイムパラドックスが起きないんだ。だって、違う世界の出来事を変えてるだけだからだな。

カリトンが『君の名は。』は並行世界じゃないと願う理由

めっっちゃカリトンの私情である。

「そんなの嫌だから」

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考えてみてくれよ、もし『君の名は。』が並行世界であるなら…

 

瀧くんは過去に遡って、頑張って過去を変えた。

でも、それは別の世界の過去なので、元の瀧くんの世界では三葉は死んだままである。

 

虚しくないか?

隕石が落ちてくることを必死に後の世に伝えようとした、昔の宮水の人たちの努力は?

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そう思うからこそ、カリトンは『君の名は。』が並行世界でないことを祈るのだよ。

君の名は。』が並行世界でない証拠

「糸を繋げることもムスビ、人を繋げることもムスビ、時間が流れることもムスビ、ぜんぶ、同じ言葉を使う。ワシらの作る組紐も、神さまの技、時間の流れそのものを顕しとる

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このセリフが答えである。

組紐そのものが、時間を表しているのだ。

 

複数の紐をより集めて形を作り、捻れて絡まって時には途切れ、また繋がる。

 

これが組紐の製作過程だ。

この組紐の作られ方が、神の技を顕した人間の技である。

神の技とは世界を作ることだ。

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 結び=産霊。意味の一つは『生み出すこと』。そして古来から糸を織ることは、世界創造のメタファーでもある。

 

じゃあ、どういう風に世界を作るのか。複数の異なる時間を集めて作られるのだ。

 本編も、三葉の時間と、瀧くんの時間。この二つがまるで同じ時間であるかのような演出がなされている。この映画そのものが、異なる時間を集めて作られているな。

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つまり、無数の異なる世界(=並行世界)があるというよりは。複数の時間を束ねて編集された、たったひとつの世界。

 

それこそが『君の名は。』の世界観なんだろう。

 あくまでカリトンの一意見だがね。

矛盾してる?そのシーンカットしたからby神
  • 死んだ三葉はどこに行った問題。
  • 糸守の人が既に救われているのなら、救いに行く理由がない。
  • 組紐が未来と過去に同時にあるのおかしい

これらの矛盾。でも、複数の時間を束ねて編集された、ひとつの世界なら解決するんだな。

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神「え?ややこしくてごめんね。その場面、編集し直して新しく世界作り直したわ」

 

これが答えである。

つまり。映画の構成そのものが、『君の名は。』の世界そのものなのである。

忘却への祈り

ばらばらでも、もう二度と逢えなくても、俺はもがくのだ。

            (小説版より)

人はいつか忘れてしまう。

けれど、それで忘れまいと必死に残そうとする。抗おうとする

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この作品では忘れる姿だけでなく、忘却に抗う姿をも表現されている。

 

かつて文字がなかった時代、絵を描くことによって後世に伝えようとした。

また別の時代には、文字として、舞として、組紐として、また伝えようとした。

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哀れな繭五郎のせいで、意味はなくなってしまったが。それでも形は残り続けた。

形だけの想いは、やがて身を結んだのだよ。

 

糸守の人たちが生き延びれたのは、忘れまいと伝え続けた先人たちの執念があってこそだ。

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瀧くんはあくまでキッカケである。銃の引き金、トリガーにすぎない。

銃そのものはすでに出来上がっていた。だから、結果は実ったのだ。

(おまけ①)小ネタ

掌の一

カタワレ時に、三葉が満面の笑みで、一本線だけ引いたアレである。

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アレね、多分名前を書こうとしたんじゃない

瀧くんと同じように、 

 

        「すき」

 

って書こうとしたんじゃなかろうか。

証拠は、はじめの瀧くんの手のひらに書かれた文字である。

 というかこの二人、手のひらに何か描きすぎじゃないか?皮膚だよ?黒板じゃないんだよ?

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自分の名前をひらがなで「みつは」と書いているのだ。

 

これはほぼ確定だと思う。

糸守の地名の由来

編まれた糸を使い、天の龍を退けた。

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外伝で特に触れられているように、糸守は糸で天の厄災から人々を守ってきた土地なのだ。

 それは時間であり、それは人のつながりでもある。一言で言うなら、結びだ。

 

だからこそ、この地名なんだろうね。

瀧くんの好きな女性のタイプ

黒髪ロングだそうな。

 小説版より。

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これさ…まさかと思うけど、三年前(瀧目線)の出会いの影響受けてない?

 

電車の中の、三葉の長い黒髪ファッサーしてるの見て好きになったとかじゃないよね?

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真剣にこの説ありえるんじゃなかろうか。

(おまけ②)三角関係

この作品、面白いのが人間関係である。

瀧くん、三葉。両方ともに三角関係がある。

 

三葉サイドはてっしーを巡っての三角関係である。

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・三葉が好きなてっしー

・さやちんを応援する三葉

・てっしーが好きなさやちん

 

 映画の初めの方のチャプター「三葉の登校」で…

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三葉を見つけて喜ぶてっしー、てっしーの反応を見て、てっしーの背中に胸を押し付けるさやちん。

といった、なかなか愉快な恋愛抗戦が繰り広げられている。

 三葉は三葉で、帰り道に二人を残し、わざと早く帰って、二人をくっつけようと策を弄していた模様。

 

対する瀧くんサイド。こっちは少しややこしい。瀧くんを巡っての三角関係だ。

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・三葉が好きな瀧くん

・瀧くんが好きな三葉

・瀧くんが好きな奥寺先輩

 

奥寺先輩に関しては、ほんっとうに様々な解釈がある。

 瀧くん(in三葉)が好きだった説…とか。マジで十人十色な解釈がされがちなキャラである。

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カリトンが思うに。

奥寺先輩自身は、瀧くん(入れ替わってないノーマルタイプ)が好きだったのだと思う。

 で、デートの時に自分が好きでないことに気付いたんじゃないかね。

 

ともあれ、三葉には奥寺先輩というライバルがいたわけだ。

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だからこそ、三葉は瀧くんよりも早く瀧くんに対する恋愛感情に気づけたんじゃないかな?

 

恋愛を進めるのに、ライバルって結構大切な存在なんだろうな。

(おまけ③)道祖神

御神体のクレーター。

あそこって、ものすごく意味深な場所である。

天と地の境目。

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そして、この世とあの世の境目

そのことを表すのは、おばあちゃんのセリフだけじゃない。

 

山から下りてきたところに1体の道祖神が置かれている。

 三葉がこけるシーンの手前。山を抜けて、坂を下り出す辺りのシーン。意識しないと、案外気づけない。

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道祖神は村内と村外の境界、つまりは現世と幽世の境界に置かれることの多い神なんだとか。

 墓地へ向かう道に置かれていたり。

 

(おまけ④)[来世は]東京のイケメン男子にしてくださーい

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君の名は。』を彩る名ゼリフである。

 そして、色々ツッコミどころがあるセリフでもあるのだ。四葉が、映画でも小説の方でも突っ込んでるけど。

 

でも、このセリフから読み取れることがある。

それは…

 

  三葉は糸守が大好きだということ。

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少なくとも、今世は糸守で生きていくつもりだったと言うワケ。

家族関係とかに思うどころがあったりはするけど、それでも糸守が大好きなことを示すセリフなのだよ。

 

(おまけ⑤)earthbound 

外伝小説の、本編に入る前のページ。

そこには、ある英単語の意味が書かれている。

 外伝小説の表紙のカツオくんっぽさ、アレは異常よ。

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earthbound 

①(根などが)地に固着している。

②(動物・鳥などが)地表から離れられない。

③世俗にとらわれた、現世的な、想像力のない、散文的な。

④(宇宙船などが)地球に向かっている。

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まぁ、意味深極まりないよな。

ともあれ、この4つの意味この外伝のお話とめちゃリンクしてる。

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というのも、この外伝自体も4つの章で構成されているからだ。

・一章目は、瀧くん目線の三葉

・二章目は、テッシー目線のお話

・三章目は、四葉目線のお話

・四章目は、三葉父のお話

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詳しい内容は、直接見てほしい。

特に、三葉父の話と4つ目の意味の意味深さよ。個人的には、小説版がオススメではあるが…。漫画版は読みやすいので、好きな方を読めばいいと思う。

 

(おまけ⑥)わざわざ避難計画を実行したワケ

いやね?はっきりぶっちゃけようか。

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三葉を生かすだけなら、避難計画なんてやらなくていい。

 

三葉と入れ替わって、自分だけ逃げておけばいいんだよ。

 宮水一家と、テッシー、さやちんくらいは一緒に逃すとして。

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それが一番楽だし、何より一番確実だ。

だけど、瀧くんはあえてそれをしなかった。凄まじく手間がかかるけど、それでも糸守町のみんなを救うために動いた

 

その理由は、大きく二つある。

一つ目は、瀧くん自身が糸守町を好きになっていたこと。

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三葉と入れ替わり、神事をやったり。糸守に住むみんなと関わったり。

そうこうしているうちに、糸守という土地に愛着を感じるようになったわけだ。

 

もう一つは、三葉が糸守を愛していたから。

 さっき触れたようにね。

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三葉だけ生き残っても、本人は喜ばない

それが分かってたからこそ、糸守の人たち全員を助けようとしたのではなかろーか。

 

《まとめ》

ぶっちゃけ、カリトンの考察が間違っていても構わない

カリトンを楽しませてくれた。この事実が大切なのだ。

 

改めて、この作品に関わった人たち全員に敬意を評したい。

 

この作品を作ってくれてありがとう。おかけで、楽しい時間を過ごせました。