実家暮らししながら自炊する〜5日目〜
体の調子はすこぶるいい。
長年の悩みの種だった蓄膿症は、未だかつてないスピードで治りつつある。
初めは健康のためだった。健康になりたくて、だから実家に住みながら自炊を始めた。
でも、その健康になりつつあるから、なおのこと思うのだ。
「カリトンは食に何を求めているんだろうか…?」
何のために料理を作るのか。何のために命あった食物を食べるのか。
それでな、昨日の夜に分かったよ。
カリトンは健康になりたいから自炊をしてるんじゃないのだと。カリトンにとって、健康は通過点であってゴールじゃない。
今を生きる幸せを噛み締めたいから、ご飯を作って食べるのだ。
自炊を始めてよかったと思う。とても大切で、でも当たり前すぎて忘れてしまうことに気づけたから。
【目次】
食事内容
炊き立て土鍋ごはーん。
食事の内容は、昨日と同じである。
というわけで、詳しい内容は割愛させていただく。
気になる人は、前回のブログでも見てくれ。実家暮らししながら自炊する〜3日目〜 - カリトンブログ
変わりといっちゃなんだが、
ガスコンロと土鍋の写真を撮ったので載せておこう。
両親に何も言わず、勝手にパクってきた土鍋とコンロだ。五日間ご飯を作り続けてくれる相棒である。
真剣に、家を出た後もパクっていこっかなーとか思ってたりする。
流石に、許しを得たらの話だけど。
感想
まあ美味しいよね。
毎度同じことばっかりだけど、本当に美味しいんだもの。
美味いものを美味いと言って何が悪い(・∀・)
ただ、魚がなんとなく欲しくなったので、タンパク質とかがちょっと欠けやすい傾向があるのかもしれない。
昨日からカツオが頭から外れず、真剣に削れてない塊の鰹節と削り器の購入を考えていたのにはちゃんと理由があったのか…!
将来的には塊の鰹節を削ってみたいよ?そういう生活送りたいよ?
でもね、流石に自分の部屋のスペースが限られてる今の状況で買ってもね…。
削り器買っても、鰹節を削る以外の用途が思いつかんよ。スペース限られてるのを考えるとね…。
というか今買わなくても、未来の自分が買ってると思う。
今買うか、未来の自分が買うか。これはそういう時間の問題である。
それに、塊の鰹節+削り器買うなら、生の魚買ってきてなんか料理した方が楽しいかなって。
いやぁ、人生は楽しいもんだ!
おまけ
びっくりするくらい、塩麹感がない。
イカ墨かな?
塩麹を作るには、1日1混ぜをする必要がある。
そーいうわけでクルリとお箸で混ぜたら、割とサラッとしてた。
もしかしたらちゃんと塩麹になれるかもしれない。楽しみッ……!
おまけ②
玄米が届いた。
本当は、この玄米届いてから自炊するつもりだったんよなー。
それが、
「そんな呑気なこと言ってられるか! 今日から始めるんや!」
と、自炊開始した前日に参加した、セミナーの講師の方の言葉。セミナーに誘ってくださった人たちと食べた、健康に気を配った食事。
この二つが忘れられなかった。
「とっとと試してみた方がいい、いやさっさとやれ!」
心の奥から、そーいう叫びが聞こえて何かに急かされるように始めたっけなぁ…。
「こだわった食べ物を、少しだけ味わって食べる人間になれますように」って、寝る前に祈ったのも効果があったのかな?
人生とは分からないものだ。つくづく思うよ。
実家暮らししながら自炊する〜4日目〜
めっちゃ下が出るね。
今までも出てたけど、特に出ている。何がとはあえて言わないけど。
うーむ、昨日にご飯食べたあとに食べた、ライ麦クッキーが原因か…。
ギーと大量のハチミツ、ライ麦と、ココアニブとココアを入れて作ったお手製クッキー。素材が高級すぎて、匂い味ともに高級店で売ってそうなクオリティに仕上がった。300g中、昨日に半分くらい食べたんじゃなかろうか…。
焼けてる部分も美味しかったし、生焼け部分も…美味しかった。
美味しかったけど、いかんせん食べすぎたんだろなぁ。昨日、お腹張りすぎてあまり寝れなかったもん。
少食しか食べてないから、「ドバァ」と出たのだと思われる。
体の出す力ってすごい。
↑3日目のリンク
【目次】
食事内容
昨日とあまり変わらない。というか、昨日よりやや質素ではある。
……………。
………。
…うん。
ブログに写真載せて、初めて気づいた。
「どうして横に撮ったんだ!過去のカリトンよ」
人は過ちを犯す生き物なのです。
仕方ないね。
・細切り昆布いり味噌汁
・三分つき米(粉納豆+すりごま+醤油)
・漬け物
写真のインパクトがデカすぎるけど、まあさておき。昨日のレシピの食材から鰹節とネギが消えた。
ぶっちゃけネギが消えても、あんまり何も思わない。
彩り方面のダメージが大きいとは思うけど。
問題は鰹節だよ、鰹節。
感想
鰹節入れた方が美味しい…。いや、ありのままの今日のご飯も美味しいけども。
カリトンの心は、昨日の鰹節に囚われてしまったようだ。
まあ、鰹節っていいアクセントになってたんだなぁという。
失ってから、初めてやつの素晴らしさに気づいてしまった((((;゚Д゚)))))))
なんてこった。
程よい量のご飯も炊けて、普通に美味しかったけど、カツオが頭から離れなくなったとさ。
おまけ
じゃーん。
米麹が完成したぜ(*☻-☻*)
わーい。
うーむ、しかし三分つき米で作った米麹はちょっと変わってるね。ちょっと酸味があるかな…?
まあ、いい感じの甘さがあるから、米麹ができたのは間違いあるまい
んで、ここのサイトの塩麹の作り方を参考にさせてもらって…
【簡単なのに本格】麹屋が教える!塩麹のつくり方と美味しいレシピ | 株式会社麹屋もとみや
できた米麹に、塩を入れてー
水を入れt、ゑッ?
ちょっ、いや色がっ…。
一瞬フリーズしたけど、すぐに原因を察したよ。ブラックソルトだな。
お前かΣ(-᷅_-᷄๑)
⭐︎ブラックソルトとは⭐︎
天日海塩を愛用していたカリトンが、「食品添加物に効果あり♡」「還元力がバリ高い♡」これらの甘い誘惑に駆られて購入した岩塩。
よく言えば卵の匂いがする。悪くいえば、硫黄臭がすごい。カリトン的には「あっ、この塩いいっ」と愛用し続ける未来を感じた。
大好き
⭐︎説明終了⭐︎
ブラックソルトってなんか知らんけど、ご飯にかけると変色するんだよな。あと、水道水も同様に。
汚い緑色になる。
まあ、色はともかく味は大丈夫…のハズ。
「・・・・・・・・・」
「大丈夫だよな?」
↑
次の日。
実家暮らししながら自炊する〜3日目〜
うむ、3日目である。
お鼻の調子が大変良い。あと、頭がグルングルンと回転している気がする。
ポケモンで例えるなら、『賢さが10上がった』的な感じか。
いい変化だ。
粗食、馬鹿にならんのぅ…。
1日目のリンク↑
【目次】
3日目の食事内容
というわけで、このシリーズ初のカリトン撮影による写真を載せよう。光栄に思いたまえ。
ただし、写真のクオリティに期待はせんといてくれ。
うん。食事内容はあまり変わっていない。
・細切り昆布いり味噌汁
・三分つき米(+ネギ+粉納豆+すりごま+鰹節)
・漬け物
「盛り付け方と、使ってる食器が想像と違う?」
おいおい、世界が自分の想像通りなわけがないでしょうが。
洗うのってさ、面倒くさいのよ…?料理経験ある人なら、よく分かるはず。
まあ、だからってコップに味噌汁注ぐやつはあんまりいないだろうが…。
ちなみに、鍋の中にある料理(?)の調理工程を説明すると…。
土鍋でご飯を炊く。その上にすりごまをトッピングし、粉納豆をかけ、鰹節を乗せ、漬け物を乗せる。そして、醤油をかける。
料理と言っていいのだろうか…。
正直、トッピングの順番を変えればもっと映えると思う。
そこまで頭が回らなかった。
3日目の感想
美味しいよ。いや、マジで。
割とノリで描いてるから色々書き漏らしてるけど、調味料こだわってるんで。
カリトンが使ってる醤油と味噌だけでも、合計金額千円超えるから
それにさ、納豆はちょっと好み分かれるかもしれんが、ご飯に鰹節に醤油かけるんよ?
あとネギ。
これをまずいっていうやつは日本人じゃないわ
凄まじい偏見かもしれんが、マジで思うψ(`∇´)ψ
あと、ご飯の炊き方って大切やね。
ご飯炊いてるときって、蓋開けたらダメらしいよ…。今日、一回しか開けなかったけど、全然違うわ。
昨日や一昨日、思いっきり何回も開けまくってた。
土鍋でご飯炊く時は、ぜひ心がけてみて欲しい。全然味違うから。
そして、やっと気づいたんだが。ご飯に細切り昆布入れるより、味噌汁に入れた方が美味しい。
出汁が出てて美味しかった。
おまけ
昨日はね、ご飯炊きすぎて「ウェー…」となってたわけだ(*⁰▿⁰*)
今日もまた、ご飯炊きすぎそうになったんだな。実際、炊きすぎた。
そこで、カリトンはあえてご飯を全部食べずに有効活用することにしたのだ。
残ったご飯にー
種麹を入れてー。混ぜて、
新聞紙に包んで、
念のためにタオルにくるんでだなー。そして丸一日くらい、放置する。
冬場はうまいこと保温する必要があるんだが、最近はあったかいから放置でいいだろう。
多分。
そう、米麹である。
種麹と炊いたお米さえあれば、割と簡単に作れるのだ。
米麹を塩麹にして、野菜やら魚やらゆで卵を漬けてみようと思う。
あと、そろそろザワークラフトが無くなってきてるので簡単キムチを作る予定なり。
いやあ楽しいなー。
実家暮らししながら自炊する〜2日目〜
てなわけで、2日目だ。
1日目は上のリンクから見れるぜよ
少食の効果と、食事の内容にこだわっているだけあって、蓄膿症が大幅にマシになりだしている。
やったね。
2日目なんで、まだまだスタートラインなんだが好調のスタートを切っているようだ。
【目次】
2日目の食事内容
前回のブログでは、基本メニューなるものを書いた。
玄米、味噌汁、漬け物。
この三つのことだ。要は粗食である。
初日からして、『味噌お粥+漬け物』という驚きのフリーダムさだったのだが。
あくまで基本なんで…(震え声)
そもそもの話、ご飯炊くときの水分量を間違えたのが理由である。2日目はね、問題なかったよ。
ご飯炊くときの水分量は、『ご飯の体積×1.2倍』だそうな。要は、ご飯と同じくらいの水を入れればいいってわけよ。お陰で、ご飯をちゃんと炊けた。
そうそう、それだけじゃない。
ご飯がふっくらしてたんやぜ。おそらく、昨日はご飯の浸水時間が20分くらいだった。
ただ今日は、大学の授業が間に挟まったのもあって、5時間くらい浸水してたんだな。だからか、昨日よりふっくらしてて美味しく食べれたわけだ。
普通の白米じゃなくて、三分つき米だからだろうか。
玄米を一晩浸水しないといけないのは有名だが、三分つき米も長めに浸水した方がいいのかもなぁ…。
と、そんなささやかな嬉しい出来事がありつつ、今回はあまり基本の食事メニューから逸れていない。
・三分つき米に細切り昆布入れて炊く
・漬け物(ザワークラフト)
・具なし味噌汁
・粉納豆
………。
「一つ増えてる」ってか?
いや、粗食ってタンパク質不足になりそうじゃん?(勝手な偏見)
だって具なし味噌汁だし…。
それにね、アレンジなしで食べるのはシンプルにきついんですよ。アレンジくらいはしたい。
髪の毛だって、たまにはチェンジしたいじゃない。食べ物だって例外じゃないってこった
あ、細切り昆布は昨日も入れてました。ブログに書くの忘れるという痛恨のミスをやらかしちゃったんだな。これが(*´∇`*)
はっはっは〜。
2日目の感想
まあ、味は美味しいよね。失敗のしようがないがな。
しいていうなら、三分つき米炊きすぎたかなぁ。食べれない量じゃないんだけど、一合超えてたんじゃないか?
昨日もそうなんだが、割と感覚で測ってるからね。わざわざ測るの面倒くさいのよ。
テ⭐︎キ⭐︎ト⭐︎ウとも言い換えられる。
結構お腹に溜まっておる…。チョットクルシイ…グエエエェェェ……(; ̄ェ ̄)
こうやって痛い目に遭いながら、人は学ぶのね…。
▶︎かりとんは じんせいの まなび をえた
↑次の日
実家暮らししながら自炊する〜1日目〜
「一人暮らしするから自炊する」
これはよくあるパターンだ。テンプレである。
だが!
「実家暮らししながら自炊する」
親がいて、その上ちゃんとご飯を作ってくれる。それもタダで。
感謝してもしきれない…。
そんな環境に住みながら、自炊をやり出す奴はそうそういまい。
ただしブログ主たるカリトンを除く。
【目次】
なぜ、わざわざ自炊するのか
勘違いはしてほしくないので言っておこう。
家族とご飯を食べるのは大好きだ。母親が作ったご飯は美味しいし、何よりもタダ飯である。
親故の、子への愛情がなせる奇跡そのもの。
うむ、同じ屋根の下に生きるものとして頭が下がらない。
多分死ぬまで下がらんだろうな。
なのに、なぜ自炊をすることを決心したか。
健康な自分でありたい
健康でいたいんだよ。
「は? 何を当然なことを抜かしてんだ?」
そんな声がどこからか聞こえてきそうだ。
知ってるとも。人間として、生物として生きる以上、健康は常に追い求めるものだ。
健康意識が高い低いだなんて言うけれど、誰しもが健康を求めている。不健康なままでいたい人間なんて、この世のどこにだっていないだろうよ。
少なくとも、ブログ主たるカリトンは健康を求めている。
最高の健康法に気づく
カリトンは、蓄膿症という病気に苦しんでいる。
一言で言うなら、鼻の病気だ。詳しい説明は割愛する。
ともあれ、人間は自分にないモノを求めるものだ。カリトンには健康がない。
だから、カリトンは多くのことをしたとも。
・鼻うがいをする
・オイル点鼻(ナスヤ)をする
・木刀を買う
・スポイト100本買う
・どくだみを鼻に入れる
・その辺の雑草を鼻に入れる
・ネプライザー(医療器具。2万弱する)の購入
・逆立ちする
・お灸を買う
・なたまめ茶を購入する
などなど。
いくつか妙なのが混じってるって?どれも大真面目に病気を治そうとしての行動だ。
ふざけてやったわけじゃない。当時は本気だった。今考えたら、ちょっと狂ってるとは思うd( ̄  ̄)
いくつか効果があるものもあったけど、完治には至らなかった。
そうして時が過ぎるうちに、あることに気づいた。
食生活の改善こそが、病気の改善につながるのだと。
健康になるための決意
食生活の改善ってのはね。
- 間食を止めること。
- 腹7部、腹6部を心がける(食べすぎない)
- 添加物、農薬やホルモン剤、抗生物質などを使っていない食材を食べる
- 1日2 or 1食を心がける
- 天然塩をいっぱい摂る
- 本物の調味料を使う
- 腸にいい食事
てな感じかなぁ…。
もしかしたら、書き漏らしがあるかもしれぬ。
まあ、これらのことに気をつける必要があるわけだ。
母親が愛情込めて作ってくれる料理の数々。生憎、愛情はあっても健康的な食事ではなかったりするのだ。
感謝はしてるけどね。
質の良い食べ物を少しだけ食べる。
これを実践しなければ、カリトンは健康にはなれないだろう。
実家暮らしをしながら自炊をする。前代未聞すぎる経験に躊躇う感情はある。
でも、健康になりたい。
だから自炊を始めるのだ。
さあ、自炊の準備を始めよう
はーい。長々とした説明パートはここまでなり。
さぁ、調理器具を用意しようか。それと食材も忘れずにな。
必要なモノ
⭐︎カセットコンロ×一つ
⭐︎カセットボンベ×一つ
⭐︎一人用土鍋
⭐︎漬け物(ザワークラフト)
⭐︎三分つき米
⭐︎味噌
⭐︎天然塩(ブラックソルトと天日海塩を混ぜたもの)
カリトンの写真があればいいんだがな…。残念ながら撮るの忘れたぜよ(^◇^)
カセットコンロとボンベを用意したのは、米を炊くためだ。ぶっちゃけ、家にはちゃんとキッチンがある。
が、母親が料理を作る時間とダブったりしたら面倒くさい。そして、申し訳ない。
てなわけで、家のカセットコンロと土鍋をパクった。すまぬ、親よ。ボンベはジョーシン行って買ったぜ^_−☆
基本の食事メニュー
・玄米
・漬け物
・具なし味噌汁
粗食である。
ちなみに、玄米は食べチョクで買ったのだが、届くのが待てず三分つき米を買っちゃったZE(*゚▽゚*)
なので、当分三分つき米を食べる。
せっかちだとは思うけど、心が「とっととやれ」って言ってたもん。しゃーない。ƪ(˘⌣˘)ʃ
そして、これをお昼か晩のどちらか一食のみ食べる。少食が体にいいのと、毎度作るのが面倒くさいからね。
しゃーないね
自炊初日目の感想
ご飯を炊こうとしたら、お粥になりました。
入れる水分量をミスった。
お粥になったので、味噌汁代わりに味噌溶いて食べたよ。美味しいけどね、お米がよかった…。
初日なのに既にフリーダムすぎる件について
あとは、ザワークラフトが発酵しすぎて酸っぱかったかなぁ。
やってみて思ったのは、
「粗食意外と美味しい」
「割と楽」
「めっちゃ快便になる」
何も工夫しなかったら、間違いなく飽きるだろうけどな。
体にはいいだろうね。断言するわ。
2日目のリンクなり。
『君の名は。』考察について狂い語る
カリトンは、サークルに入っている。
そのサークルはわりかし活発に活動しているところだ。めちゃくちゃ真面目なサークルだと思う。
飲みサーなんてものがあるなかで、大学生のくせに真面目なサークルである。
そのサークルで、困ったことが発生した。
週に一度、部員がプレゼンしなくてはならないのだよ。
プレゼン自体はいい。『君の名は。』について話すって決めてるし。話すことは好きだし。
ただ、カリトンのプレゼンだけでサークルの時間を潰しかねない。
それが問題なのだ。
『君の名は。』語りたい欲を抑えるため、この記事で『君の名は。』のことを存分に狂い語る予定である。
そして、カリトンのプレゼン用資料として活用する。ブログって便利だね。
ネタバレMAXなので、ネタバレ嫌な人はブラウザバックしてね。
【目次】
- 『君の名は。』のキーワード
- 忘れ去ること、忘れられないこと
- 隕石結局なんだったん問題
- ティアマト彗星
- ゴリゴリの古文シリーズ
- あの世界=並行世界なのか?
- 忘却への祈り
- (おまけ④)[来世は]東京のイケメン男子にしてくださーい
- (おまけ⑤)earthbound
- (おまけ⑥)わざわざ避難計画を実行したワケ
- 《まとめ》
『君の名は。』のキーワード
さて、この作品には三つのキーワードがある。
名前、カタワレ、結び。
ここを徹底的に調べるだけでも、この作品で何を描こうとしたのかが読めてくる。
それくらい、とてつもなく重要ポイントなのだ。
キーワード①名前
この作品のタイトルは、『君の名は。』である。
それだけでなく、
「大事な人、忘れたくなかった人!だれ…だれだ…だれだ…君の名前は!?」
「君はだれ?君の名前は?」
本編で、すごく名前の問いかけが出てくる。それくらいこの作品で重視されている。
だが、そもそも名前ってなんだろう?
どうしてそんなに大切なものなんだろうね?
名前ってそもそも何?
名前はある対象を表す固有名詞である。
対象を表すということは、他のものと区別できるということだ。
例えば、立花瀧は…
『君の名は。』の登場人物兼主人公の彼のことだ。
中学生の彼も、
高校生の彼も、
中身が違う?なんか悪意を感じる?何を言うかね、体は立派な本人じゃろ。
大人の彼も、
どれも立花瀧である。
でも立花瀧は、てっしーではないな。
ある対象を表してかつ、他のものと区別するというのはそういうことだ。
『名前の問いかけ』が作中で出てくる理由
名前は対象物を表しても、どんな性質を持っているかは分からない。
立花瀧。
この名前を聞けば、名前の持ち主が人であることは分かる。でも、どんな性格をしているかは分からないのだ。
それにも関わらず、二人が互いの記憶を忘れた時に求めたもの。
それは名前だったんだ。
なぜ、名前を求めたのか。
名前というのは、ある対象を表して、他のものと区別するものである。
つまり。名前は、他の誰とも違うという証明そのものだ。
名前を知ることで、その他の誰かではなく、特別な誰かになる。
特別な人だから、名前を知りたいって思うんだよ。
誰かの名前を覚えていたら、覚えられていた側の好感度がUPする理由でもある。
主人公とヒロインの名前の由来
名前には名付け親の、子に対する願いが宿っていたりする。
現実でもそうだし、フィクションだって例外じゃなかったりするのだ。
この二人の名前の名前の由来はね、調べれば調べるほど面白い。
宮水三葉の由来
まず、三葉の名前の直接的な由来は罔象女神(みつはめのかみ)である。
監督本人の発言である。直接的な由来というのが、また意味深だ。
罔象女神(みつはめのかみ)は別名ミツハノメ。
どちらにせよ、日本神話における代表的な水の神だ。
ちなみに罔象の部分は、龍や小児などの姿をした水の精と説明されているんだそうな。
つまり罔象女神(みつはめのかみ)は、水の神でもあり、竜神でもあるのだ。
実は、三葉の名前の由来はキーポイントである。
『宮水』は、「宮の水」という意味だ。つまり、ここにも水との関係性が現れている。
立花瀧の由来
瀧くんに関しては、『立花』と『瀧』の二つに分けて考えていこう。
まず、『立花』。
立花は、別の漢字で橘と言う。
橘は蜜柑系の常緑樹なのだ。実はこの橘、古文で登場してたりする。
というのも、伊勢物語で、
「皐月待つ 花たちばなの 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする」
と読まれていた。
橘は強い香気を放ち、過去に立ち返らせる花である。
花言葉は追憶。
また、橘には別の異名もある。それが、非時香果(トキジクノカクノコノミ)。
意味は、時を選ばず実る果実。あるいは『時知らず』とも言うのだそうな。
カリトン的には、作中で橘が登場してるだろ疑惑があったりなかったり。それも、口噛みトリップ中にな。
『瀧』の方にも触れていこう。
そもそも瀧は、
「氵+龍」
で完成する漢字だ。
水と龍を足して完成する…。
それって三葉の名前の由来である、罔象女神(みつはめのかみ)となんか似てないか?
水であり、竜でもある。
しかも外伝小説では、更に意味深な描写がされている。
糸守に隕石が落ちたのは、作中の2015年だけじゃない。少なくとも、以前に二回落ちているのだ。
隕石が落ちる姿を、昔の人は天の龍に例えたそうな。
イヤー、イミシンダナァー。
キーワード②カタワレ
この作品では、至る所にカタワレが出てくる。
カタワレ=半分
- 片親しかいない家庭環境
- 二つに割れる彗星
- カタワレ時
- 半月
- ハーフヌーン(瀧くんが糸守に訪れる時に着てたシャツ)
- 太極図が、糸守に訪れる時に瀧くんが来てた上着についてる。
この二人、互いのカタワレなんじゃ説を唱えたい。
立花瀧が、入れ替わり相手に選ばれた理由も説明つくしね。カタワレは片割れ、そして片我である。
名前が二人とも似てるし。
他にも、証拠になりそうな場面としては、中学生瀧くんと高校生三葉が出会うシーンだろうか。
罪のない幼き中学生瀧くんを吹っ飛ばしたくなるシーンでもある。
そのシーンで、中学生瀧くんが使っている英単語帳に…
I'm looking for my counterpart
(訳)私は私の片割れを探している。
はい、ギルティ。
いやこれはもう確定では?
まあ、他にも証拠を上げておこうか。
カタワレ時と誰ぞ時の関係
作中で、カタワレ時という言葉が出てくる。
カタワレ時は、誰ぞ時(だれぞとき)という言葉が変化してできた方言という設定だ。
夕方くらいの時間帯を表す。
カタワレ時が誰ぞ時からできた言葉であるなら、『カタワレ時=誰ぞ時』という方程式ができるな。
そして、カタワレは片割れ。
誰そ彼とは、「あなたは誰ですか」ということでもある。
この二つがイコールの関係であるなら、こう言い換えることもできる。
「あなたは誰ですか」の答えが「片割れ」。
生きる時間が違う二人が、唯一会える時間であり。そんな二人の関係性を表す時間でもあるのかもしれない。
なぜか残った寂しさの正体
小説版を見れば分かる事実がある。
それは、何もかも忘れたはずの2人に寂しさが残っていたことだ。
なぜ寂しさが残ったのか?
というか、そもそも寂しさってなんだろう?
どういう時に、人は寂しいと感じるのだろうか。
寂しさとは、なにかを失った時に姿を表す感情だ。
じゃあ、あの2人は一体なにを失ったのか?
2人はカタワレを失ったのだ。
瀧くんは、三葉の口噛み酒を飲んだ。
結果として、2人の魂は結びついた。結びついた2人は、もはや互いの半分=自分そのものの関係になってしまう。
カタワレは、片割れであり片我。
つまり、
三葉の半分は瀧くんであり。
瀧くんの半分は三葉なのだ。
2人は互いのカタワレのことを、綺麗さっぱり忘れてしまった。失ってしまった。
だから、2人にとって正体不明の寂しさだけが残ったのだ。
2人の恋愛
人間球体説というものがある。
『饗宴』という本に出てくる考え方だ。
元々、男女は1個の球体だった。けれど、ゼウスは、球体を半分に割ってしまった。
そうして球体は、半分になり、男と女に分かたれた。だから、人はお互いの欠けたもう一人の自分を求めて恋をする
という考え方だ。
『君の名は。』において描かれる、瀧くんと三葉の恋愛の形そのものではなかろうか。
《余談》人間球体説
哲学者であるプラトンという人が、『饗宴』という本を書いたわけだ。
哲学本って聞くと、めっちゃ難しく感じがちだが、案外読みやすい本である。カリトンは『ソクラテスの弁明』が好き。
内容をサラッと紹介すると…
哲学者ソクラテスが、他の登場人物達が語る「愛とはなにか」をとことんdisるお話だ。
「いやいや、それは違う。もしそれが愛だと言うのなら〜〜〜ということになってしまう」
と散々否定しまくり、最後の最後にソクラテスが愛について語るわけだな。
ただ、ソクラテスが人間球体説を唱えたわけではない。あくまで、他の登場人物が唱えた説なのだ。
地味に勘違いしてる人が多いので、覚えておけば役に立つかもしれぬ。
例にも漏れず、人間球体説はソクラテスに批判されている。
キーワード③結び
この映画を見て、印象的な言葉がある。
それが結び。
三葉のおばあちゃんが、結びについて説明している。
「よりあつまって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。それがムスビ、それが時間」
時間と結びの関係は、のちの『あの世界=平行世界方式なのか?』で触れる。
『君の名は。』から触れる日本神話の思想
結びは産霊でもある。
産霊は、日本神話で登場する言葉である。語源は…
苔生す(こけむす)+ひ(霊)=産霊
ひ(霊)は霊的・神秘的な働きのことを表す。苔生す(こけむす)は、生まれることを表す。
この産霊、めちゃくちゃややこしい。同じ産霊なのに、意味が3つくらいあるのだ。
カリトンがある程度理解するまで、結構時間かかった。今でも100%理解はできてない…。
①生み出すことを意味する言葉
さきほど書いた、語源を見れば分かると思う。
②日本神話で登場する神様の名前そのもの。
例を出すなら、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)とか。
②産霊は、身体の内へ霊魂を容れて結合させることでもある。
「水でも、米でも、酒でも、何かを体に入れる行いもまたムスビと言う。体に入ったもんは、魂とムスビつくで。」
↑こっちの意味の産霊も、作中で説明してくれている。
カリトンの説明いるのか?って思うくらい分かりやすい…。
《余談》産霊と日本文化
実はこの産霊、日本文化にすごく馴染み深いものである。
というのも…
息子(ムスコ)、娘(ムスメ)って言葉がよく使われていますね。この二つの言葉、産霊から生じた言葉なんだよ。
他にも、しめ縄、水引、おみくじを結ぶなど。
結ぶという行為は日本人が思う以上に、日本の文化に深く関係していたりする。
結びと組紐
「結ぶ」という言葉は、
- ひも状のものをくくる
- 繋げる
- まとめる
- 創る
- 固まる
- 締める
のようなさまざまな意味がある。
「人と関係をむすぶ」「契りをむすぶ」といったご縁や心をつなぐ意味でも使われるな。
作中に登場する、地味ながらキーアイテムである組紐。組紐もまた、結びそのものだ。
時間を表し、二人との縁というべきものを表すもの。赤い糸なんて風にも言えるだろうよ。
(ささやかな余談)結びとおにぎり
おにぎりは、おむすびとも言う。
瀧くんはラーメン屋のおっちゃんにもらったおにぎりを、もぐもぐ頬張る。
頬張りながら、結びについて語る。
なんとも意味深なシーンなのだ。
なぜ最後に入れ替われたのか
まぁ、言うまでもなく口噛み酒だな。
だけど、なんで、口噛み酒を飲んだら入れ替われたのか。
ここにも結びが大いに関係してくる。
先程、カリトンは結びについて説明した。
いくつかある意味のうちの一つに、身体の内へ霊魂を容れて結合させるといったものがある。
そして。口噛み酒は名前の通り、三葉が口の中で作られたと言って過言でないものだ。
そこで、さっきカリトンが引用したセリフを思い出して欲しい。
「水でも、米でも、酒でも、何かを体に入れる行いもまたムスビと言う。体に入ったもんは、魂とムスビつくで。」
そう。
三葉が口に入れたお米から、口噛み酒はできている。だから、口噛み酒には、三葉の魂が結びついているのだ。
おばあちゃんが、口噛み酒を「三葉の半分」と言った理由でもある。
同じく、瀧くんも口噛み酒を飲むことによって、三葉の魂と結ばれたのだ。
そう考えたら、ある意味セ◯クス以上のことをやってのけている。三葉がカタワレ時のシーンで赤面したの、あの酒飲まれて恥ずかしがったのと、このことを分かってたからでは…?
ヨモツヘグイ
少し脱線して、口噛み酒を飲んで過去に戻れた理由でも解説してみる。
一言でいうなら、ヨモツヘグイをしたから。
漢字にすると、黄泉戸喫。黄泉の国の食べ物を食べること。ヨモツヘグイすると、死者の国の住民となってしまう。
御神体はあの世であり、死者の国そのものだ。
隠り世=あの世のことである。
死者の国の食べ物を食べることで、死者の国の住人になる。
そして、三葉の魂と結びつくことによって、瀧くんは三葉が死んだ過去の世界に入れ替わりを通じて行くことができたのだ。
瀧くんがなんやかんや頑張ったあと。
時間的にも空間的にも、ありとあらゆるものの境界に当たるクレーターのふち。
そこで、生者でも死者でもない2人は、互いの魂を元の身体に入れ替えて元に戻ったということなのだ。
『君の名は。』は結びの物語
ところで、なぜ、この作品のタイトルの最後に「。」がついているのか。
それは、この話は結びの物語だからだ。
「よりあつまって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。それがムスビ」
とてもシンプルで、奥深い答えではないかね。
忘れ去ること、忘れられないこと
二人とも、仲良く山の上でイチャイty、まぁした後。あっさりと互いの記憶を忘れてしまう。
その前の瀧くんのシーンでも、三葉の名前を忘れてしまっている。
隕石が落ちてから5年間、瀧くんと奥寺先輩が会った時。奥寺先輩は、既に当時のことを忘れてしまっている。
この映画では忘却の様がよく描かれている。
人は死ぬまで何かを忘れ続ける生き物だ。
入れ替わろうが、過去を変えなかろうが、どの道忘れてしまう。
記憶はあまりにも儚くて弱々しい。でも、それでも忘れないことだってある。
たった一つの奇跡
もし、この作品で奇跡と呼べるものがあったのなら。
それは入れ替わりじゃない。過去を変えたことでもない。
「好き」という感情を二人が覚えていたこと。
これに尽きる。
唐突に現れたマッキーが示したかったこと
「名前書こうぜ(キュポンッ)」
イケボの主が当然、ラブラブシーンにマッキー使い出すの巻。
一応ね、あのマッキー、おにぎり食べてるシーンに出てきてはいるんだよ?
だから、急に出てきたわけじゃない…んだけどさ。
空気ブレイカーすぎると思うの。あの雰囲気でマッキー出すか。
映画初見の時、カリトンはちょっとビックリした。
ともあれ。少しゴリ押し気味ではあったけど、監督的に表現したかったことがあったんだろう。
それが、想いは時空を超える。
陳腐な表現だと思う。
言葉にした途端に、ありふれたものになってしまった…
名前を書かなかったわけ
名前を書こう。
そう言っておいて、書かれた文字は名前じゃなかった。
なんで名前を書かなかったのか。
それは想いが先走ったからだろう。
目が覚めても忘れないようにさ。名前書いとこうぜ
つまり。これから、自分たちが忘れてしまうことに気付いていたんだ。
忘れることに気付いていたから、忘れて欲しくないこと、自分が三葉に伝えたいことを書き留めようとした。
その結果が、三葉の手のひらの文字なんだろうな。
《余談》立花瀧の性格から見る
「名前書こうぜ」って言って、名前を書かない。
一見矛盾はしてるけど、立花瀧というキャラクターの性格からも考えると妥当な行動でもある。
彼、実はかなり奥手な性格だ。
小説版とか外伝を見たら、大分イメージが変わるキャラでもある。映画だけだと性格を把握しにくい。一言で表すなら、残念なイケメン。
「お前は誰だ」
ノートに書かれたそれを思い出した三葉(瀧くんの体に入れ替わり中)は、
「みつは」
と手のひらに書いた。
つまり自己紹介していたわけだ。
それに対し、滝くんは
「お前誰やねん(超絶カリトン意訳)」
と返す。
瀧くん、おそらく自分から自己紹介していない。
描写的に、周囲から名前を呼ばれてから三葉は瀧くんの名前を知ったと思われる。
それに、だ。
三葉がセッティングさえしなければ、奥寺先輩とのデートもできなかったんじゃないか?
ちなみに奥村先輩のデートでも、スマホのメモを通して、瀧くんの奥手さを三葉におちょくられていたりする。
用意してあげた記事の名前からして、三葉の本心はすでに、先輩とのデートには乗り気じゃなかっただろうことが伺える。
想いを直接、面と向かっては言えなかった。
だけど、
「名前書こうぜ」
不器用ながらに、書き留めることで想いを伝えようとしたのだろう。
本当に脚本が練られた作品だと思うよ。
名前を書かない=実はファインプレー
むしろ、あのシーンは名前を書いてはいけないんだ。
そもそも、なぜ二人が忘れてしまったのか。理由は二つある。
一つは入れ替わりが夢の出来事であること。
もう一つはタイムパラドックスを解決するため。
タイムパラドックスは、過去を変えた時に起こる矛盾のことである。親殺しのパラドックスが有名。
彗星が落ちた日。
あの二人が出会うことは本来ありえてはならない。その矛盾をなかったことにするために、二人の記憶は消された。
だから、あそこで名前を書いたら、本当に何も残らなくなった可能性があるのだ。
証拠と言っていいシーンがある。
カタワレ時のシーンの後、瀧くんは三葉の名前を左の手のひらに書こうとする。結局書けなかったわけだが、重要なのはそこじゃない。
全てを忘れた後、右の手のひらを見たが。左の手のひらには見向きもしないのだ。
大いにカリトンの深読みのしすぎの可能性もあるけどね。
宛名がないメッセージだから、あの文字は残ったのだよ。
隕石結局なんだったん問題
ちょいちょい意味深な描写はあれど、あの隕石の具体的な情報は出てこない。
映画を見て分かるのは、
- 名前
- 物理法則を超えてくる存在
- 自然のものじゃない
- 糸守に三回落ちてる
この三つだけである。
ティアマト彗星
隕石の名前はティアマト彗星。ティアマトとは中々、意味深な名前である。
というのも、ティアマトはメソポタニア神話に登場する神の名前である。
メソポタニア神話において、全ての神を生んだお母さんでもある。
ティアマトは原初の海の女神のことである。その姿は大洪水を起こす龍の姿で表されているのだ。
海や水に関する神様が、古来から竜=蛇がその象徴とされるのは全世界共通。川の流れの姿と竜や蛇のうねりを重ねてそのように信仰されているんだとか。
ティアマトが龍の姿っていうのが、なんとも意味深である。
他にも。
なんやかんやあった戦いで、ティアマトは敗れてしまった。その時、ティアマトの身体が2つに引き裂かれて天と地が創られたんだとさ。
エゲツない話だよな。なんかかわいそうである。
ともあれ、
・二つに引き裂かれる。
・龍の姿で表される。
このへんが隕石の名前の由来なのかもしれぬ。
ちなみに龍は、隕石のことをめぐる上のキーワードだ。
頭の隅にでも覚えておくがよい。
物理法則ガン無視しすぎ問題
これはネットなんかでも、ちょいちょい指摘されていた。
「君の名は。」のティアマト彗星を再考する - ZoaZoa日記のブログ記事なんかが分かりやすいかな。
初めは、単なるミス扱いされていた。でも後の監督のTwitterの投稿で、意図して表現されたことが発覚。
ちなみに、作中世界でも隕石が墜落するなんて有り得ないと思われていたのだ。
ロシュ限界などの、現実世界でも使われる専門単語がちょいちょい出てくることが証拠。意味?知らんがな。
「落ちるわけがない。もし落ちたのなら、この隕石は物理法則を破ったということだ。だからありえない。」
そう思われていたティアマト彗星は、見事に期待を裏切ってみせたよ。
物理法則なんて知ったことかと言わんばかりに、宮水家の屋敷一直線に墜落してみせた。
清々しいくらいに、ピンポイント。これに気付いた時は鳥肌がたったね。
ティアマト彗星は〇〇〇〇だった
これね、普通に映画見てるだけじゃ100%分からない。
カリトンも考察記事を漁りまくって、たまたま知った。
てっしーが、冠水爆弾を入れていたバック。あの中に、オカルト雑誌ムーが入っている。
なんで爆弾入ったバックにムー入れたの、てっしー…。
多分ね、ムーが入ってることに気づいた人は結構多いと思う。カリトンも、そのことに気づきはした。
でも、ムーの表紙にとてつもなく小さい字で書かれた文章。これに初見で気づいた人はほぼいないだろうよ。
「ティアマト彗星は人工天体だった」
1.5秒のみ、姿を表すカットとなっている。
んなもん分かるかっ!
過去と現在、合わせて三回落ちる隕石
実は、三葉と瀧くん世代だけでない。それより前にも、隕石は糸守に落ちている。
物理法則を何回破れば気が済むのさ…
二人の世代に合わせて、三回も落ちているのだ。
1200年周期で糸守に落ちているんだとさ。本当に偶然だろうか。
・宮水邸(今作の墜落場所)
・旧糸守湖
この三つである。
落ちすぎじゃね?
ティアマト彗星と天の龍
物理法則に逆らう人工天体。1000年に一度、糸守に落ちる。
これが、作中だけを見れば分かることだ。外伝を見れば、分かる情報がさらに増える。
ティアマト彗星は日本神話の星の神、天香香背男(アメノカガセオ)と同一視されていることが判明するのだ。
カガセオは星の龍と例えられる。この作品ではカガセオ=隕石説を採用している。ちなみに、金星説もあるよ。
(推測)ティアマト彗星=SF小説のオマージュ?
それも、思いっきりハードなものが。
イーガンという超有名SF作家が書いた、短編小説「貸金庫」が『君の名は。』の世界観に影響を与えていたりするくらいである。
『祈りの海』に収録された、短編小説である。カリトンも読んだが、不思議な気持ちになった作品だったな。未だに家に置いてある。
そして、カリトンが思うに…
「都市と星」という長編SF小説がティアマト彗星の元ネタなんじゃなかろうか。
隕石に限らず、糸守の世界観など
「アッ…コレニテル…」
となるところが多い。なんなら、インタビューでも言及されてたりする。
例のインタビュー→8.26公開『君の名は。』新海誠監督インタビュー最終回/強烈な「ロマンチック・ラブ」に憧れがあるんだと思います... | インタビュー | Articles | Filmers
ここで解説してもいいけど、あまりに長くなりすぎる。なので詳しくは君の名は。について、(たぶん)どこよりも詳しく解説してみました! | 榊正宗の上を向いて歩こう!を見よう。
ゴリゴリの古文シリーズ
『君の名は。』には、モチーフになったのであろう古典と、作中でも古典が登場する。
せっかくなんで、二つ紹介しよう。
君の名は
誰(た)そ彼と 我(あれ)をな問ひそ 九月(ながつき)の 露に濡れつつ 君待つ我を
(訳)「誰なのかあの人はなどと、私に聞かないでおくれ。秋深まる九月の露に濡れながら、あなたを待っているこの私のことを
タイトルそのものである。
そして、大まかな『君の名は。』の内容そのものでもある。
実は、映画の冒頭にこの古文そのものが登場している。これが初めの方に登場するって、めちゃくちゃ意味深だと思うのだが。
腕輪
いにしへの しづのをだまき 繰りかへし 昔を今になすよしも哉
(訳)昔を繰り返し、今に再現する方法があったらいいのに
「倭文の苧環(しづのおだまき)」というのは、「倭文織りの腕輪」だとか。
外伝を読めば分かるのだが、宮水神社は倭文とガッツリ関係を持った神社である。
腕輪といえば、瀧くんが組紐を手首に巻いていたアレである。
いやー意味深だなー。
あの世界=並行世界なのか?
パラレルワールドという言葉がある。
並行世界とも呼ばれる。
SFで時々出てくる言葉であり、意味は、異なる世界が他にも存在することだ。
パラレルワールドは、タイムスリップを扱う作品で登場する。
理由?
A.タイムスリップ特有の矛盾を解決できるから、だ。
時間から見る『君の名は。』の矛盾点
例えば、『君の名は。』では…
①瀧くんが過去に戻って頑張ったおかげで、三葉が生き残れた!
→じゃあ、死んだ三葉はどこに行ったの?
カタワレ時の手前の、「あの時…私死んだの?」の三葉は死んだ方の三葉なのか?それとも…
②瀧くんが過去に戻ってが(以下省略)
→じゃあ、高校生瀧くんが頑張って三葉を助けようとしなくならないか?
糸守の人が既に救われているのなら、救いに行く理由がない
③瀧くんが過去に(省略)
→そもそも、組紐が同じ時間に同時にあるのおかしくね?
三葉が生きている場合、高校生瀧くんと大学生三葉は同じ物質のものを二つ持ってることになる。
と言ったふうに、いくつものタイムパラドックスに突き当たる。
そんな時、パラレルワールドは大変都合がいい。なぜなら、
「三葉が死んだ世界は、世界Aの話だ!世界Aに住む瀧くんが、世界Bの三葉を助けたんだ!」
ってことにできる。
これの何が都合がいいかってな、タイムパラドックスが起きないんだ。だって、違う世界の出来事を変えてるだけだからだな。
カリトンが『君の名は。』は並行世界じゃないと願う理由
めっっちゃカリトンの私情である。
「そんなの嫌だから」
考えてみてくれよ、もし『君の名は。』が並行世界であるなら…
瀧くんは過去に遡って、頑張って過去を変えた。
でも、それは別の世界の過去なので、元の瀧くんの世界では三葉は死んだままである。
虚しくないか?
隕石が落ちてくることを必死に後の世に伝えようとした、昔の宮水の人たちの努力は?
そう思うからこそ、カリトンは『君の名は。』が並行世界でないことを祈るのだよ。
『君の名は。』が並行世界でない証拠
「糸を繋げることもムスビ、人を繋げることもムスビ、時間が流れることもムスビ、ぜんぶ、同じ言葉を使う。ワシらの作る組紐も、神さまの技、時間の流れそのものを顕しとる」
このセリフが答えである。
組紐そのものが、時間を表しているのだ。
複数の紐をより集めて形を作り、捻れて絡まって時には途切れ、また繋がる。
これが組紐の製作過程だ。
この組紐の作られ方が、神の技を顕した人間の技である。
神の技とは世界を作ることだ。
結び=産霊。意味の一つは『生み出すこと』。そして古来から糸を織ることは、世界創造のメタファーでもある。
じゃあ、どういう風に世界を作るのか。複数の異なる時間を集めて作られるのだ。
本編も、三葉の時間と、瀧くんの時間。この二つがまるで同じ時間であるかのような演出がなされている。この映画そのものが、異なる時間を集めて作られているな。
つまり、無数の異なる世界(=並行世界)があるというよりは。複数の時間を束ねて編集された、たったひとつの世界。
それこそが『君の名は。』の世界観なんだろう。
あくまでカリトンの一意見だがね。
矛盾してる?そのシーンカットしたからby神
- 死んだ三葉はどこに行った問題。
- 糸守の人が既に救われているのなら、救いに行く理由がない。
- 組紐が未来と過去に同時にあるのおかしい
これらの矛盾。でも、複数の時間を束ねて編集された、ひとつの世界なら解決するんだな。
神「え?ややこしくてごめんね。その場面、編集し直して新しく世界作り直したわ」
これが答えである。
つまり。映画の構成そのものが、『君の名は。』の世界そのものなのである。
忘却への祈り
ばらばらでも、もう二度と逢えなくても、俺はもがくのだ。
(小説版より)
人はいつか忘れてしまう。
けれど、それでも忘れまいと必死に残そうとする。抗おうとする。
この作品では忘れる姿だけでなく、忘却に抗う姿をも表現されている。
かつて文字がなかった時代、絵を描くことによって後世に伝えようとした。
また別の時代には、文字として、舞として、組紐として、また伝えようとした。
哀れな繭五郎のせいで、意味はなくなってしまったが。それでも形は残り続けた。
形だけの想いは、やがて身を結んだのだよ。
糸守の人たちが生き延びれたのは、忘れまいと伝え続けた先人たちの執念があってこそだ。
瀧くんはあくまでキッカケである。銃の引き金、トリガーにすぎない。
銃そのものはすでに出来上がっていた。だから、結果は実ったのだ。
(おまけ①)小ネタ
掌の一
カタワレ時に、三葉が満面の笑みで、一本線だけ引いたアレである。
アレね、多分名前を書こうとしたんじゃない。
瀧くんと同じように、
「すき」
って書こうとしたんじゃなかろうか。
証拠は、はじめの瀧くんの手のひらに書かれた文字である。
というかこの二人、手のひらに何か描きすぎじゃないか?皮膚だよ?黒板じゃないんだよ?
自分の名前をひらがなで「みつは」と書いているのだ。
これはほぼ確定だと思う。
糸守の地名の由来
編まれた糸を使い、天の龍を退けた。
外伝で特に触れられているように、糸守は糸で天の厄災から人々を守ってきた土地なのだ。
それは時間であり、それは人のつながりでもある。一言で言うなら、結びだ。
だからこそ、この地名なんだろうね。
瀧くんの好きな女性のタイプ
黒髪ロングだそうな。
小説版より。
これさ…まさかと思うけど、三年前(瀧目線)の出会いの影響受けてない?
電車の中の、三葉の長い黒髪ファッサーしてるの見て好きになったとかじゃないよね?
真剣にこの説ありえるんじゃなかろうか。
(おまけ②)三角関係
この作品、面白いのが人間関係である。
瀧くん、三葉。両方ともに三角関係がある。
三葉サイドはてっしーを巡っての三角関係である。
・三葉が好きなてっしー
・さやちんを応援する三葉
・てっしーが好きなさやちん
映画の初めの方のチャプター「三葉の登校」で…
三葉を見つけて喜ぶてっしー、てっしーの反応を見て、てっしーの背中に胸を押し付けるさやちん。
といった、なかなか愉快な恋愛抗戦が繰り広げられている。
三葉は三葉で、帰り道に二人を残し、わざと早く帰って、二人をくっつけようと策を弄していた模様。
対する瀧くんサイド。こっちは少しややこしい。瀧くんを巡っての三角関係だ。
・三葉が好きな瀧くん
・瀧くんが好きな三葉
・瀧くんが好きな奥寺先輩
奥寺先輩に関しては、ほんっとうに様々な解釈がある。
瀧くん(in三葉)が好きだった説…とか。マジで十人十色な解釈がされがちなキャラである。
カリトンが思うに。
奥寺先輩自身は、瀧くん(入れ替わってないノーマルタイプ)が好きだったのだと思う。
で、デートの時に自分が好きでないことに気付いたんじゃないかね。
ともあれ、三葉には奥寺先輩というライバルがいたわけだ。
だからこそ、三葉は瀧くんよりも早く、瀧くんに対する恋愛感情に気づけたんじゃないかな?
恋愛を進めるのに、ライバルって結構大切な存在なんだろうな。
(おまけ③)道祖神
御神体のクレーター。
あそこって、ものすごく意味深な場所である。
天と地の境目。
そして、この世とあの世の境目。
そのことを表すのは、おばあちゃんのセリフだけじゃない。
山から下りてきたところに1体の道祖神が置かれている。
三葉がこけるシーンの手前。山を抜けて、坂を下り出す辺りのシーン。意識しないと、案外気づけない。
道祖神は村内と村外の境界、つまりは現世と幽世の境界に置かれることの多い神なんだとか。
墓地へ向かう道に置かれていたり。
(おまけ④)[来世は]東京のイケメン男子にしてくださーい
『君の名は。』を彩る名ゼリフである。
そして、色々ツッコミどころがあるセリフでもあるのだ。四葉が、映画でも小説の方でも突っ込んでるけど。
でも、このセリフから読み取れることがある。
それは…
三葉は糸守が大好きだということ。
少なくとも、今世は糸守で生きていくつもりだったと言うワケ。
家族関係とかに思うどころがあったりはするけど、それでも糸守が大好きなことを示すセリフなのだよ。
(おまけ⑤)earthbound
外伝小説の、本編に入る前のページ。
そこには、ある英単語の意味が書かれている。
外伝小説の表紙のカツオくんっぽさ、アレは異常よ。
earthbound
①(根などが)地に固着している。
②(動物・鳥などが)地表から離れられない。
③世俗にとらわれた、現世的な、想像力のない、散文的な。
④(宇宙船などが)地球に向かっている。
まぁ、意味深極まりないよな。
ともあれ、この4つの意味、この外伝のお話とめちゃリンクしてる。
というのも、この外伝自体も4つの章で構成されているからだ。
・一章目は、瀧くん目線の三葉
・二章目は、テッシー目線のお話
・三章目は、四葉目線のお話
・四章目は、三葉父のお話
詳しい内容は、直接見てほしい。
特に、三葉父の話と4つ目の意味の意味深さよ。個人的には、小説版がオススメではあるが…。漫画版は読みやすいので、好きな方を読めばいいと思う。
(おまけ⑥)わざわざ避難計画を実行したワケ
いやね?はっきりぶっちゃけようか。
三葉を生かすだけなら、避難計画なんてやらなくていい。
三葉と入れ替わって、自分だけ逃げておけばいいんだよ。
宮水一家と、テッシー、さやちんくらいは一緒に逃すとして。
それが一番楽だし、何より一番確実だ。
だけど、瀧くんはあえてそれをしなかった。凄まじく手間がかかるけど、それでも糸守町のみんなを救うために動いた。
その理由は、大きく二つある。
一つ目は、瀧くん自身が糸守町を好きになっていたこと。
三葉と入れ替わり、神事をやったり。糸守に住むみんなと関わったり。
そうこうしているうちに、糸守という土地に愛着を感じるようになったわけだ。
もう一つは、三葉が糸守を愛していたから。
さっき触れたようにね。
三葉だけ生き残っても、本人は喜ばない。
それが分かってたからこそ、糸守の人たち全員を助けようとしたのではなかろーか。
《まとめ》
ぶっちゃけ、カリトンの考察が間違っていても構わない。
カリトンを楽しませてくれた。この事実が大切なのだ。
改めて、この作品に関わった人たち全員に敬意を評したい。
この作品を作ってくれてありがとう。おかけで、楽しい時間を過ごせました。
人類が発明した、最も偉大なモノ
自らを霊長類などと名乗る、とても傲慢な生き物がいる。
それが人間だ。
霊長類は、『最も優れた生き物』という意味である。
人間は今までに、多くのモノを発明し続けた。
文字、船、服、薬…
その中でも、霊長類の一員であるカリトンが思う、偉大なる発明品は・・・・。
文字
身近にありすぎて、偉大さを感じにくい。だからこそ、讃えなければなるまい。
身近に当然のごとくあるものほど、そこには古い歴史があるのだから。
世界は印刷されたもので溢れている - カリトンブログに出てくる印刷とかもそう。
【目次】
文字はいつからあったか
紀元前4千年紀後半の、後期新石器時代にはあった。
すごいね。紀元前4千年って、キリストが生まれる四千年前である。どんだけ昔やねん。
後期新石器時代は、人類が青銅器使い始めたタイミングとほぼ同じ。
文字ってなんですごいの?
人類が今に至るまで、多くの発明があった。どれもすごいものだらけだ。
だから、どれが一番すごい発明かは諸説ある。
ある人は、火が人類一の発明品だと言う。
またある人は、石器が人類トップの発明品だと言う。
またまたある人は、服が(以下省略)。
またまたまたあるひ(以下略)。
文字のすごいところはだな…
記録に残ること
これである。
記録に残せるすごさ
21世紀という時代に生きていながらも、16世紀の人物のやったことが分かる。
比叡山焼いた、どっかのうつけ者とか。天下統一したのに、晩年に色々やらかす猿。200年続く幕府を開いた、鳴くまで我慢するホトトギスとか。
昔の人の生き様から、新たに学ぶことができる。記録することによって、後の世に教訓を残せる。
文字を読むことによって、文字から情報を受け取れる。どれほど昔の書物でも、書きさえすれば。遺そうとさえすれば。
人と動物の違い
動物と人間の違い。その一つが、言語だ。
動物と人間の違いでもあり、文字は人間のアドバンテージでもあるのだよ。
動物は親より前の祖先から、学ぶことができない。当たり前だな。
だって、情報を伝えられる手段がないんだから。
でも人間は違う。人間は、親より前の人たちから学ぶ手段がある。
書物がね。
現代でも活躍する文字
文字は活躍しまくっているのだ。
「いやいや、文章なんか読まんって。それだったらYouTube見る」
そう思う人もいるだろう。結構いるだろう。
でもね、もしそう思うなら忘れていることがある。
普段見ているあのYouTube動画。そこには、絶対に欠かせないものが潜んでいる。
それこそがッ…
忘れがちな事実だろ?
カリトンもよく忘れる。
YouTubeでは『Python』と言うプログラミング言語が使われてるんだそうな。
《まとめ》文字を讃えよ
昔々なんかは、特級身分のみがブイブイ言いながら使っていた。
でも、最近は庶民もよく使うらしい。なんなら、文字が消えたら文明が消えるレベルで使われてる。
やべーな。